企業研修の効果を最大化するために必要なこと

企業研修(育成)はなぜ失敗するのだろう?

幹部候補のエース社員にマネジメント研修を受けさせたけど・・・。マネージャーにしてみるとパワハラがひどい!部下の離職が止まらない!このままでは警察沙汰や会社の大損害になりかねない。

高額な研修を受けさせたのに大金をドブに捨てたと嘆く経営者を何人も見てきました。なぜ有名な会社/講師が提供している何百、何千万円の研修を受けさせても全く効果がないのか??

結論、その研修を実務で活かさなければいけない”必要性”を経営層は持っていても受講者側は持っていないことが原因になっていることがほとんどです。もしくは受講者が必要性を感じていてもそこに強制力がなく実務で活かしきれないというのが理由です。

基本的に会社側が受けさせたい研修というのは業務命令であり、必ずしも受講者(社員)に受講意欲があるわけではありません。むしろなぜ忙しいのに実務を離れてまで研修を受けなければいけないのか!とほとんどの社員が思っています。

これが個人で受講(学びたい)を希望するtoC向け研修との違いです。toB向けの講座/研修は基本的には業務命令なので受講意欲がそれほど高くない人が対象となります。

ですので企業研修は基本的に「別に学びたくもない」と思っている人たちに強制的に学習機会を与えているため研修を受けるだけではそもそも効果は薄いという傾向があります。

動機付けは自社で行わなければならない重要な仕事

研修会社は教えることが目的ですので「動機付けは自社でやってね」というのが基本スタンスです。動機付けの方法には様々ありますが人事が準備段階で行う受講意欲を高めるための施策には限界があります。

基本的に営利企業は投資リターンを考えて研修を提供しますので成長してもらうことは「MUST」です。つまり組織の仕組みとして「成長しなければいけない(MUST化)」する制度を構築する必要がなります。

そのMUSTを作るために最も効果的な方法は成長した後の姿を評価基準に組み込んでおくことです。理想の状態(評価基準)が先にあり、現状との差異を認識した上で適切な研修を提供する。そういった組織として成長を促す育成の仕組みづくりが重要になります。

つまり場当たり的に「マネジメント能力が足りない!」と経営幹部候補に研修を受けさせるのではなく、最初に育成のゴール(評価基準)を明確にすることが大切です。

そのため「良い研修はありますか?」「良い講師はいますか?」という質問もよく受けますが、どういったマネージャー像を求めているのかわからないままでは回答しようがありません。そもそも目標(理想)がなければ差異もわからないのでおすすめもないのです。

※余談ですが経営幹部向けの研修は幹部の成長によって数字に与えるインパクトが大きいというロジックで研修会社も高額な設定する利益商品です。高い研修ほど効果があるというバイアスもかかりやすいのでご注意ください。

成長しなければならない必要性を作る「仕組みの構築」が重要

上記の仕組みを作るためにおすすめの方法は

①評価基準を明確化する(必要性)
・等級別はもちろん、管理職共通などの評価項目を作成

②理想(評価基準)と現状のギャップを上司部下で確認する
・目標との差異を認識

③育成効果を確認する
・マネージャーとしての行動指針のようなものを作成
・行動指針に沿っているかを定期的に確認

JUST Aでは上記①〜③を構築支援を行っています。 等級別の評価基準、マネージャーの共通行動指針などのテンプレートも用意していますので再現性が高く、あまり多くの工数をかけずに評価&育成の仕組みを行うことができます。お気軽にお問い合わせください。
有友正義

有友正義

株式会社 JUST A 代表取締役 「ウェルビーイング7モデル©️」を考案。ベトナムダナンに世界50ヵ国以上から旅行者が訪れるTravelers station SpaceAを創設。海外での複数事業の経験を活かしダイバーシティマネジメント(異文化マネジメント領域)の組織開発・人材開発手法 SPACE A Methodを提唱。